決断力(全2話)

流れ星を見た時に願いを唱えると、その願いが叶うとよく言いますよね。迷信と思う人も多いと思いますが、案外この話は本当のところもあります。流れ星の見える数秒はほんの僅かです。その僅かの間に、直ぐ願い事が言えるというのは、日頃よほど願い事を、繰り返し思い込んでいなければ出来ないと思います。その信念が夢を実現させるのでしょう。決断力の大切さを2つのお話でお伝えしたいと思います。

第一話は「ピュリダンのロバ」、第二は「母が先か、妻が先か」です。

 

その1「ピュリダンのロバ」

「右往左往」と言う言葉を知らない人はいないと思いますが、念のため「広辞苑」を開くと「秩序無く、あちらへ行ったり、こちらへ行ったりすること。混乱の状態などに言う」とひとりの様子よりは、大勢の人物の動きを想定している。

大辞林」では「慌てふためいて、あっちへ行ったり、こっちに来たりすること。慌てて混乱した状態を言う」と「広辞苑」に近い。

「学研・国語大辞典」は「うろたえたり、まごついたりして、あっちへ行ったり、こっちへ来たりすること」とある。

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14世紀、フランスの哲学者・ピュリダンが作ったと言われている「ピュリダンのロバ」という話があります。

……

飢えたロバがいました。餓死そうになった時、幸運にも、このロバは二つの乾し草をみつけましました。

二つの山は、全く同じ量であり、同じ美味さに見えました。

その為、ロバは、左の乾し草を食べようか、右の乾し草にしようか、迷いに迷いました。

左に行きかけては右に戻り、右に行きかけては左に戻る。

かくして、翌朝、このロバは、二つの乾し草の丁度」中央で死んでいた。という話であります。

もっとも、学者の研究によると、ピュリダンの著作の中に、この話はどこにも無いそうなので、後の世の人が、ピュリダンにかこつけて、使った話らしい。

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さて、このロバは、どうすべきだったのでしょうか?

明日、もう一つお話と総括で、そのヒントをお話しします。